
ものすごく長~い話で本当にすみません。
えと、どっから話そうかな。
そう。いおはもともと、トイレとか、暗闇とか、
全然怖くない子でした。
天真爛漫、無邪気で、怖いもの知らず・・で。
夜中にトイレに行くときも親を起こさず、
自分ひとりで行って済ませてくるような。
あるときなんて、夜中に目を覚ましたいおが、
枕もとの加湿器のタンクの水がなくなってるのに気付いて、
真っ暗な階段を降りて、階下まで水を汲みに行き、
きちんと加湿器にセットして、再び寝るとか。
これ、彼が4歳の頃の話です。
それが・・・・
一か月前に、ついに生まれて初めて、
テレビの怖~い番組を見てしまって。
普段そういう系のテレビは観ることなんてないのですが、
たまたま、香取慎吾が出ているとかで,
いゆ・佳代親子がテレビをつけていたんです。
都市伝説っていうんですかね。
トイレの中にいる怖~い人の質問に答えられないと
足をもぎとられるのです・・・きゃ~!! みたいな。
そういうのが延々こわ~く紹介されていました。
で、その日を、境に、いおは一気にへたれキャラに変貌。
昼でもトイレに行けなくなってしまうほど。
トイレの押しピンの跡や、壁紙の傷が顔に見えるからこわいとか、
誰かが追いかけてきそうだから、階段がこわいとか、
急にそういうことを言うようになりまして、
もう別人のように怖がりになってしまいました。
「恐れる」感覚って生まれ持っているものでなく、
後天的に学習するものなんですかね。
とにかく、それ以来、トイレも、階段の上がり降りも、
いちいち誰かについてきてもらうようになりました。
(めんどくさ~)
・・・・そんな折です。
テレビで戦隊ヒーローものの新シリーズがスタートし、
(侍戦隊・シンケンジャー)
幼稚園児のいおもすっかり夢中になって、
毎日毎日「♪ 三段腹、段腹~!」とテーマ曲を
ご機嫌に口ずさみながら、
(ほんとは侍戦隊なんで「♪チャンチャンバラ~、チャンバラ~」
なんですが、いゆがわざと嘘の歌詞を教えてまして・・・)
うれしそうに、ヒーローごっこにいそしんでいたんですね。
例年のごとく、さっそく、
「お父さん、ぼく、シンケンジャーのおもちゃがほしい」というので、
もちろん速攻で却下なのですが、
「あー、トイレと階段がひとりで行けるようになったらねー。」
と適当に答えたら、それを真に受けたのか、
何と、その日から、いお、涙目になりながら、
一人でトイレに行こうと努力してるんです。
でもやっぱり駄目で、結局泣きじゃくりながら、
「やっぱりついて来て~!!」って。
そういう失敗と挫折を何度も繰り返しながら、
ついに、この度、いお、一人でトイレに行くことが出来ました!
すごい頑張った顔で、歯を食いしばりながら、
大声でシンケンジャーの間違った歌を歌いながら。
恐怖心に打ち克って無事に排尿。
おお~!えらいぞ!いお!!
それ以来、すっかり自信をとりもどして、
「♪ 三段腹~!段腹~!」って、
自らを鼓舞するテーマ曲を絶唱しながらなら、
トイレも階段も頑張れるようになりました。
そこで、約束通り、いおが要求していたシンケンジャーの
おもちゃを買う羽目になってしまったんです。
誕生日でも、こどもの日でもないのに・・・と思いましたが、
約束なので、しぶしぶ・・そのおもちゃを買いに行きました。
ショドウフォンとかいう、電話みたいな形のおもちゃ2980円。
おもちゃを手にしたいおの喜びようはすごかったです。
肌身離さず持ち歩き、その夜は抱いて寝ていました。
ところが・・・・・。
いおはその翌日、出かけた先(イオンモール・ソレイユ)で
その真新しいおもちゃを速攻、落としてしまうんです。
ショックを受け、しょんぼり「ごめんなさい」を連発するいお。
「いいよいいよ。お名前書いてなかったお母さんが悪かった。」
「遊具で遊ぶ時に預かってあげてなかったお父さんが悪かった。
ごめんな。」
せまい所にももぐりこんで探せるいゆも協力してくれて
家族みんなで何時間も探しましたが、いおのショドウフォンは
とうとう見つかりませんでした。
最初こそ凹んでたいおですが、さんざん探して気が済んだのか、
「形を覚えてるから、家に帰ったら紙で自分で作る」といいだし、
だんだん元気になったので、あきらめて帰ることにしました。
その後、ちょこっと買い物をして、家に帰った我々の前に、
いゆがぶっきらぼうに出してきた包みが、これ!
上の写真です。
何といゆ。
帰る前にトイレに行ってくるといって、ダッシュでおもちゃ売り場に行き、
自分の持ってた全財産で、いおが失くしたのと全く同じおもちゃを
買ってきてくれてたんです。
うそーん!!!
せっかくのお出かけなのに自分のものは何も買わず、
弟のためにこっそり自腹を切るなんて。いゆが。
あの万年反抗期怪獣のいゆが!
お年玉は全額没収され、月ごとの分割支給となり、
いつもお金がないないと文句を言っていたいゆが。
信じられない!どうした!?いゆ!
キャラにないいゆの優しい行動に、
私と佳代ちゃんはうるうるしました。
「お姉ちゃんありがとう!」
おもちゃを手に、びっくりするいお。
「いいってことよ。そもそも慎吾ファンのうちのせいで、
いおに怖いテレビ見せたのが悪かったんだからね。」
といゆもいおの頭を撫でてくれてました。
じーん。
するとそこへ一本の電話が。
電話に出たいゆが受話器を握り締めたまま、
コケてて、白目をむいてるので、
どうした?と聞くと、
「イオンモール・ソレイユ・インフォメーションセンターからで、
たった今、お探しのおもちゃが見つかりましたって。」
いゆ、すっかり脱力してました。
「う・・・うちの全財産は一体・・・・」
だから、上の写真のプレゼントは幻のプレゼント。
急いでおもちゃを受け取りに行ったついでに、
いゆの買ったおもちゃは、レシートと共に返品して、
返金してもらいました。
パッケージを開ける直前でよかった。セーフ。
いおのおもちゃも無事。
もちろん、2980円も無事いゆに返って来ました。
これで何もかも元通りですが、
子どもたちには、なんだか、
思いがけないプレゼントをもらったような
幸せな気分になりました。
色々あったけど、いおは恐怖を克服できたし、
いゆも姉として一歩成長したし、
失敗の中にも、
人生何かしら得るものはあるものだなと。。。
すみません。くっだらない長い話で。
最後まで読んで下さってありがとうございました。
我が家には珍しい、ちょっとええ話でした。
しかし、あのいゆが。ありえない。
姉弟愛が、うれしかったです。